慧一之水 えいちのみず

火事は人の人生を左右する 慧一之水

さて以前も話した火事の話。

 

実は生涯で2度火事を起こす人はそんなに居ないと思う。

いや、滅多に居らんじゃろう。

 

 

そんな2度目の火事なのですが、これは少しだけ事情が変わってくる。

 

 

当時、新しい事業に取り掛かるために事務所を移転させたばかり。

アパートの1室を借りてイベント部門とIT部門と分けていた。

 

さて、その晩、俺は先輩と飲みに出ていた。

夜中の12時辺りにタクシーに乗って先輩に送ってもらっている際、ある光景をタクシーの中から目にした。

 

「健吾、あそこ消防車めちゃ居るわ、大きい家事かの?」

 

その目線の先には新しい事務所がある方向。

 

「ほんまじゃ、火事じゃ・・・。まさかうちの会社じゃないよの・・・。」

 

「んな訳、ないじゃろ!」

 

「で、ですよね・・・。」

 

 

そうこうするうちに俺の家に着いた。

 

「じゃ、ありがとうございました。」

 

「じゃあの!健吾、またの!」

 

と交わした瞬間に俺の電話が鳴った。

そして思わずこう呟いた・・・。

 

「火事か?!」

 

「はい・・・・。」

 

嫌な予感は的中。

 

「運転手さん、すいません、そのまま先輩の家に行ってください。その後並木に戻ってもらえますか!」

 

長く感じる時間帯。

ドキドキというか、ざわつく感じ。

 

「マジか マジか マジか・・・」

 

そして到着。

煙がモクモクと立ち込め、人だかりの中、掻き分け入ろうとするも、警察から止められる。

 

「ダメです、入れません。まだ危険です。」

 

「アホか!わしの会社なんど!!!入らせや!!!」

と、罵声に近い声で興奮していた気がする。

 

結局、その日は帰るしかなく家路に着いた。

その間の記憶が全く無い。

 

覚えているのが、焼けた部屋に入れた日からのこと。

意気消沈とはこのこと。

せっかく、これから1億目指して頑張ろうとした矢先に訪れた災難。

 

 

それから数日後、消防署に呼び出され事情聴取。

 

あれやこれや根掘り葉掘り聞かれ、そして説明された。

 

「原因はタバコの不始末ですね。幸い、消化活動に消火剤や水を使わなくて済んだことは、不幸中の幸いだと思います。隣、上下階の方にそこまで迷惑が掛からなかったこと。

被害が最小限だったこと良かったと思いますよ。

と言うのも、勝手に鎮火してくれたのが良かったんです。

これがもし、火事になったのに気づき、ドアを開けていたら、バックドラフトが起こり爆発し、開けた人は大怪我、火の回りが大きくなって全焼していた可能性大です。

だから誰一人怪我がなかったから良かったと思いましょう。」

 

 

タバコの不始末か・・・・。

と言うのも、昔の経験があるからタバコは必ずバケツに捨てること。

水は必ず入れておくことを徹底させていたのだが、この日は忘れていたとのこと。

 

社員を責めたい気持ちもあったが、責めるに責めれない。

徹底させていなかった俺が悪い。

とにかく怪我人が居なかったのは本当に良かった。

 

消防署を後にする前に隊員の方からお褒めの言葉を頂いた。

 

「スムーズに終わりました。調書、慣れてますね。」

 

「そうですか、2度目ですから・・・。」

 

「火事を2度目ですか!! なるほどそれも凄いな・・・。大変でしょうが、頑張ってください。」

 

「はい・・・。」

 

そんなところを褒められても一つも嬉しゅうない💦

 

と、一人ボソボソ言いながら、消防署を後にした。

足取り重いまま、片付けをしなきゃいけないので、事務所に戻った。

 

 

当時の辛い心境をどう表現していいのか分からない。

部屋の中は真っ黒くろすけ。

真っ黒になって見る影もない。

燃えたいだけ燃えている。

 

紙媒体は全滅。

水や消火剤を使っていないとしても、炎で焼き尽くされている。

 

結局持って帰ったのは俺のノートパソコンだけ。

綺麗に拭いて、試しに電源が入るかやってみた。

 

 

🔆

 

 

光った!

マジか!!

電源が入った!!!!🙌🤩🙌🤩🙌🤩🙌🤩🙌🤩🙌🤩🙌🤩🙌🤩🙌🤩

 

立ち上がるのを待つ。

すると画面が立ち上がった!!!!

パッドにそろっと触れてみる。

 

よっしゃ!!!!

動く!!!!

 

一筋の光が見えた!!!

 

すぐに戻り、残りのパソコンを回収。

 

すると、なんと全台電源が入り1台も故障していなかった!!!

 

その時の興奮は今でも覚えている!

 

「よっしゃ!!!仕事が出来る!!まだツキはある!!! 皆んなもう一回やるど!!!」

 

すぐに取引先に電話し、活動再開出来ることを報告。

全面的にバックアップしてくれることも約束してくれた。

 

 

火は上に上に行く。

確かに紙媒体は全滅したけど、下に置いてあったパソコンは熱は帯びたものの無傷状態。

これって奇跡としか言いようがない!って思った。

 

 

その後、先輩に話すとこんな答えが返ってきた。

 

「火事を起こした会社は大きくなるらしいど!!!」

 

その通り、そこからは、倍々ゲームのように売り上げは伸びていき、気づけば別の会社を買い、社員55名となり、10億を達成していったのです。

 

とまあ、火事の話をしたのは、実はこれには続きがあるのです。

それは明日に紹介します。

 

“火事は人の人生を左右する 慧一之水” への2件のフィードバック

  1. 在庫がおおく、継続注文を止めて頂いておりました。再開をお願い致します。ID番号は、20446 今田いづみです。6リットルコースで、お願い致します。

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