特撮銭湯シリーズ・電子戦隊フロライザー 第2話
2話『湯冷め魔人の罠! 輝け、薄茶色のワカガエルパック!』
〇 街・昼
冷気魔人ザム・ザ・レイが、街ゆくお風呂上がりの人々に向かって、不気味な扇風機型の杖を構えている。
ザム・ザ・レイ「湯上がりの隙だらけの体を、芯から凍りつかせてやるザム〜! 『ユザメ・ブリザード』!!」
ゴーーーッ!と激しい吹雪が人々を襲う。人々はガタガタと震え、肌がカサカサになって倒れ込んでいく。
ザム・ザ・レイ「ヒッヒッヒ! 人間どもから電子とミネラルを全て奪い尽くしてやったザム!」
そこへ、3台のバイク「カランサイクロン」が激しいエンジン音とともに現れ、ザム・ザ・レイの前に立ちはだかる。
水野えいち、国産こうせき、峰ラルフがバイクを降り、左手首の「フロチェンジャー」を構える。
3人「変身! 湯・沸・入(ゆわかしゅう)!!」
えいちがブレスの蛇口レバーを力強くひねる! パチパチと青い電子が飛び散り、ナノバブルのスチームが3人を包み込む。
音声『フロライズ!温まりな!!』
湯煙が晴れ、電子戦隊フロライザーが堂々と姿を現す。
フロレッド(えいち)「デマと冷気で凍りついた現代人を、俺たちのお湯で救う! 電子戦隊フロライザー!」
ザム・ザ・レイ「生意気な湯沸かし器どもめ、凍りつくがいいザム!」
ザム・ザ・レイが杖を振り回し、超強力なマイナス100度の冷気光線を放つ。
フロライザーの3人は立ち向かうが、あまりの圧倒的な冷たさにスーツのパワーが急激に低下していく。
こうせき「くっ、冷気が強すぎる……! オケシールドが凍りついて機能しない!」
ラルフ「体の電子が……どんどん奪われていく……!」
えいち「おのれ……! うわあああ!」
3人は冷気を浴び、全身がカチコチに凍りついた状態で地面に倒れ込んでしまう。スーツの輝きが消えていく。
ザム・ザ・レイ「勝ったザム! お風呂の時代は終わりザム! ヒッヒッヒ!」
〇 銭湯・地下「フロライザー秘密基地・チャージ室」
緊急転送システムによって、基地へと回収されたえいち達。3人は凍りつき、顔色も真っ青で瀕死の状態。
モニター越しに、番台のマスター・TAOHの渋い声が響く。
TAOH「……湯加減を見失うなと言ったはずだ。だが、まだ湯は冷めちゃいない。最新のチャージシステムを起動する」
チャージ室のシステムが作動する。
プシューッ!と部屋全体に、pH10以上の「強アルカリ高温泉」のミストが激しく噴き出す。
ラルフ「は、ハァ……! 凍りついた体が、少しずつ溶けていく……!」
こうせき「いや、これだけじゃない。強アルカリによって、古い角質とストレスのサビが溶かされ、肌のバリアが完全に解放されていくのがわかる……!」
TAOH「仕上げだ。特製入浴剤を全身に塗りたくれ」
部屋のハッチが開き、カポッと巨大な容器が登場する。中には、天然鉱石と高濃度ミネラルが濃縮された、神秘的な「薄茶色の泥パック」がなみなみと入っている。
えいち「これが出されたということは……マスターの最高傑作、薬用入浴剤『ワカガエル』か!」
3人は迷わず、その薄茶色の泥『ワカガエル』を、お互いの顔、胸、腕、足へと容赦なく、全身に塗りたくっていく。
全身が隙間なく薄茶色の泥でコーティングされ、まるで大地の恵みをまとったような姿になる3人。

えいち「泥が皮膚に密着して、高濃度ミネラルがダイレクトに細胞に染み込んでくる……!」
TAOH「電極、出力最大。マイナスイオン電子、照射」
バチバチバチッ!!とチャージ室全体に、激しい青白い電流が流れ出す。
薄茶色の『ワカガエル』パックとマイナスイオン電子が激しく反応し、3人の肉体を黄金のオーラが包み込む。
えいち・こうせき・ラルフ「うおおおおおお!! 肌が! 細胞が! めちゃくちゃ若返る(ワカガエル)ぞーーーーッッ!!!」
ドカーン!とチャージ室の扉を吹き飛ばすほどの勢いで、フロパワーが200%にオーバーチャージされた3人が飛び出してきた。
3人の肌はツヤツヤ、スーツは眩いほどの輝きを取り戻している。
〇 街・夕方
街を破壊しようとするザム・ザ・レイの前に、光り輝くフロライザーが立ちはだかる。
ザム・ザ・レイ「ザムッ!? なぜもう動けるザム!?」
えいち「俺たちには、えいちの湯の『ワカガエル』がついている! 冷え切った悪の常識を、俺たちの湯船で洗い流してやるぜ!」
チャージされた圧倒的なパワーで、ザム・ザ・レイを圧倒する3人。
最後は、電子銃「エレキカラン」とミネラル光線のコンビネーションが炸裂し、巨大化する暇すら与えずにザム・ザ・レイを直撃!
ザム・ザ・レイ「うわぁぁぁ! お肌がモッチモチのツルツルになる〜〜! 湯冷めしないザム〜〜!!」
湯冷め魔人は至福の表情を浮かべ、綺麗な温泉水へとデトックスされて消滅した。
カメラに向かってバシッとポーズを決める3人。
水野えいち「……これで、デトックスされた」
〇 えいちの湯・大浴場・夜
戦いが終わり、えいちの湯の湯船にゆったりと浸かる3人。
峰ラルフ「ぷはぁーっ! 『ワカガエル』パックのおかげで、いつもよりお湯のミネラルがグングン体に吸い込まれていく気がするぜ!」
国産こうせき「フッ、あの薄茶色の泥のホールド力は凄まじかったからな。電子の浸透率が段違いだ。さすがマスターの傑作だ」
水野えいちが二人の肩を優しく叩く。
水野えいち「こうせき、ラルフ。今日も過酷な冷気の中、よく耐えて戦ってくれた。本当にお疲れ様。さあ、えいちの湯にしっかり浸かって、すべての疲れを洗い流してくれ。俺たちの湯は、いつだって現代人を温めるために湧いているんだからな」
こうせき・ラルフ「ああ、えいち!」
番台からTAOHの渋い声が響く。
TAOH「お前たち、今日の湯加減は……どうだ?」
3人は笑顔で顔を見合わせる。
えいち・こうせき・ラルフ「「「最高です、マスター!!」」」
(えいちの湯の煙突から、夜空へと立ち上る綺麗な白い湯煙を映し出す――)
続く・・・。