慧一之水 えいちのみず

特撮銭湯シリーズ・電子戦隊フロライザー 第1話

『えいちの湯! 毒シャワーを洗い流せ!』

【登場人物】

  • 水野えいち(フロレッド):熱血リーダー。お風呂の情熱と電子を操る。
  • 国産こうせき(フロブルー):冷静沈着。天然鉱石のパワーを盾にする。
  • 峰ラルフ(フロイエロー):お調子者。ミネラルのエネルギーを操る。
  • TAOH ICHIYU(マスター):えいちの湯の番台。お風呂隊の最高総司令官。
  • ドク・シャワール:冷え冷え軍団の幹部。頭がサビたシャワーヘッドの怪人。

【本編】

街・昼

どんよりとした曇り空の下、現代人たちがスマホの画面を見つめながら口々に呟いている。
現代人A「湯船に浸かるのは時間の無駄だって、ネットに書いてあるな……」
現代人B「今日もシャワーだけで済ませよう……」

 

ナレーション

「世の中の嘘八百の情報に惑わされる人々……! 間違った情報に振り回され、心も体も冷え切っていく現代社会……!」

 

下町・老舗銭湯「えいちの湯」の前・昼

黒い無骨なバイク(シャワーバイク)のエンジン音が響き渡る。
バイクに跨るのは、頭部が巨大なサビついたシャワーヘッドになっている怪人、ドク・シャワール。
背中の巨大タンクから、嘘の情報を混ぜ込んだ紫色の煙(コールド・デマ)をモクモクと撒き散らしている。
ドク・シャワール「ヒッヒッヒ! お湯に浸かるなど時間の無駄! 現代人は皆、俺の冷たい毒シャワーを浴びて、芯から冷え切るがいい!!」

シャワーヘッドからドロドロとした緑色の毒液が溢れ、地面を汚していく。

その時、「えいちの湯」の暖簾(のれん)が力強く左右に開き、三人の男たちが飛び出してくる。
中央には水野えいち。右には国産こうせき。左には峰ラルフ。

 

水野えいち「世の中の嘘八百に惑わされる人々を救うため!」

国産こうせき「間違った情報に振り回されてきた人のため!」

峰ラルフ「そんな陰謀論をただの都市伝説だと直視してこなかった奴らに、本物の温もりを届ける組織!」

えいち「お風呂を守る!」
三人「『3人揃って電子戦隊フロライザー』!!」

ドカーン!!と三人の背後で、激しい湯煙(スチーム)の爆発エフェクトが炸裂。
三人は一瞬にしてヒーロースーツへと変身を遂げる。

レッドの額には燃える「湯煙」

ブルーの額には「おけ」

イエローの頭上には「タオル」のシンボルの輝き。

それぞれの腰にはピカピカに光る「蛇口型バックル」が鎮座している。

 

ドク・シャワール「おのれ、お風呂隊め! 邪魔をするな!」

えいち「間違った常識を、俺たちの湯船で洗い流してやるぜ!」

 

〇 戦闘シーン

 

ドク・シャワールがバイクを急発進させ、緑色の毒液を放つ。

こうせき「ラルフ、合わせろ!」
ラルフ「オーライ!」
ブルーが「オケ型シールド」を掲げ、イエローがそこに「タオル型エネルギー」を注入する。
二人の合体技が発動。

ブルー・イエロー「体の芯から温まれ! 『ミネラル光線(ミネラル・ストリーム)』!!」

シールドの中心から放たれた濃厚なミネラル光線が、敵の毒液を瞬時にピカピカの美肌温泉水へと浄化していく。
ドク・シャワール「な、何ぃ!? 俺の毒がサラサラの温泉に……!」

えいち「今だ! 冷え切った現代人の細胞に活力を!」
えいちが腰の蛇口型バックルをひねる。体内の電子が右手の銃にチャージされ、パチパチと青い火花が散る。
えいち「『電子銃・エレキカラン』、発射!!」

銃口から放たれたマイナスイオン電子ビームがドク・シャワールを直撃。敵の冷気バリアが内側から優しく分解される。
ドク・シャワール「うわぁぁ! バリアが……! 体がポカポカして戦意が削がれる〜!」

 

〇 クライマックス(巨大戦)

ドク・シャワールが背中のタンクのデマエネルギーを限界まで注入し、巨大化する。
ドク・シャワール「巨大シャワーで街ごと冷やしてやるわ!」

 

通信機から、渋い低音ボイスが響く。
TAOH ICHIYU(声)「お前たち、湯を沸かせ。……発進だ」
えいち「了解、マスター・TAOH!」

えいちの湯の建物が地響きとともに変形・合体!
「大浴場」のレッド湯バギー、「木桶」のブルー桶ジェット、「タオル」のイエロータオルキャリアが一つになり、巨大ロボ『ゴウカク・フロボ(強核・風呂ボ)』が完成する。
胸の中央には巨大なゴールドの蛇口が輝いている。

えいち・こうせき・ラルフ「湯加減、最高潮!!」
ロボの胸の巨大蛇口が勢いよくひねられ、電子と濃厚ミネラルが超高圧で混ざり合う。

三人「最終奥義! 『えいちの湯・極楽一番搾り』!!」

黄金色に輝くお湯の極大熱線ビームが、巨大ドク・シャワールを包み込む。
ドク・シャワール「いい湯だな〜〜! ははは、冷え性が治る〜〜!!」
ドク・シャワールはスッキリとした至福の笑顔を浮かべながら、綺麗な水へと完全にクリーン化され、昇天(爆発)する。

 

コックピットの中。三人がカメラに向かってバシッとポーズを決める。

水野えいち「……これで、デトックスされた
(背後でキラキラとした湯気のエフェクトが広がる)

 

えいちの湯・大浴場・夕方

湯船になみなみとお湯が注がれている。
えいち、こうせき、ラルフの三人が、肩までお湯に浸かって気持ちよさそうに目を閉じている。

峰ラルフ「ぷはぁーーっ!! 生き返る〜! やっぱり戦いの後の『えいちの湯』は最高だぜ。筋肉が一気にほぐれていく!」
国産こうせき「ラルフ、騒ぐな。お湯が揺れるだろう。……だが、お前の言う通りだ。この湯船に含まれる良質な電子と、俺たちの体に染み渡る天然鉱石の恵み……。これぞ至高の温もりだな」

水野えいち「二人とも、今日も現代人の健康を守るために、よく動いてくれた。間違った情報に振り回されて冷え切った人々を救うのは、俺たちにしかできない使命だからな」
えいちが湯船の真ん中で、二人の肩に優しく手を置く。

水野えいち「こうせき、ラルフ。今日も本当にお疲れ様。……さあ、しっかり湯船に浸かって、今日の疲れをすべて洗い流してくれ。

明日もまた、熱いお湯が俺たちを待っているからな」
こうせき・ラルフ「ああ、えいち!」

 

そこへ、男湯と女湯を仕切る壁の向こう(番台)から、渋い低音ボイスが響いてくる。
TAOH ICHIYU「お前たち、今日の湯加減は……どうだ?」
三人は笑顔で顔を見合わせる。
えいち・こうせき・ラルフ「「「最高です、マスター!!」」」

(カメラが「えいちの湯」の煙突から、夜空へと立ち上る綺麗な白い湯煙を映し出し――)

 

続く・・・

 

📺 幻の【第2話・次回予告】

(マスター・TAOHの渋い声で)
「せっかく温まった現代人を襲う、新たなる刺客。
冷え冷え軍団が放つ『ユザメ・ブリザード』の前に、フロライザーのスーツは機能停止、絶体絶命の氷結へと追い込まれる。
凍りついた3人を救うのは、えいちの湯の地下に眠る、禁断の薄茶色の泥パック。
強アルカリの霧の中で、えいち達の細胞が今、限界突破の若返り(ワカガエル)を見せる!
電子戦隊フロライザー 第2話、『湯冷め魔人の罠! 輝け、薄茶色のワカガエルパック!』

 

……お前たち、次の湯加減も見失うなよ」

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